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明日にかける橋ー地元実行委員のみなさんに、スタッフキャストは励まされ素晴らしい映画が完成する [6月ー2017]

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多くの街は「観光客に来てほしい」「街の魅力をアピールしたい」といいながら、自治体等は「経済的余裕がない」と何もしない。そして大したアピールにならないイベントを「慣例だから...」と続けている。そんな中、街の人たちが映画を作って街をアピールしようと声を上げた町がある。「市や協会が何もしないなら、私たちでやろう!」

だが、彼ら彼女らは本当に大変だ。まず、実行委員会を作る。組織的に行動しなければ映画は作れない。まず、製作費。映画はお金がかかる。スタッフと俳優を呼び撮影。東京の映画館で上映できる映画を作るならば、最低でも3000万は必要。本来、商業映画なら1億円はかかるが、3000万でもかなり大変な額だ。

まず、個人から寄付を求める。1口ー1万円で映画のエンドロールに名前が載る! 3000万が目標なら3千人から1万円ずつ集めれば達成だが、これもかなり大変な作業だ。実行委員とはいえ、皆、そえぞれが仕事を持っている。その空いた時間で寄付を御願いしてまわる。

「街をアピールするため」と言っても「それは市役所の仕事だろ?」という人も多い。市や行政が何もしないから市民ががんばっているのに、何もしない人たちは市を批判するだけで何もしない人もいる。それを説明して「なるほど、映画作りはいっぱいメリットあるね!」と思ってくれて初めて寄付をしてくれる。

こんな人もいる「映画作るの?いいねー。出たいなー」と盛り上がるが「でも、寄付はしたくない。撮影になったら言ってねー遊びに行くから〜」と言う。意味が分からない。皆で頑張るから映画撮影までたどり着く。その応援はしないけど、撮影には行きたい。楽しいところだけ参加したいというタイプ。どの街にいる。

思うのだけど、自分たちの街は自分たちのものであり、子供たちに何を残すのか? 考えること大事。その意味で映画作りというのは大きな意味を持てる。最初は街のアピールとしてスタートしても、最後は自分たちの街の知らなかった魅力を知ることができた。新しい出会いがあった。その輪が次のステップになったと喜ばれる。映画製作だけでは終わらない。さらには他の街の人たちとも繋がりができ、映画は全国に発信される。

でも、最初からそれを理解する人は少ない。だから、委員の中にも「市にお金を出してもらおう!」とか「大手の映画会社に出資してもらおう」とか言い出す人が出て来る。そもそも市から予算が出るには1年かかる。そして口も出す。結果、先に書いた通りのPR映画になりがち。そして映画会社は有名観光地でしか撮影しない。だからこそ、観光地でない街は自分たちで映画を作ろうとするのに「映画会社から」というのは無理なのだ。

そして大きな組織を入れると利益や権利を全て持って行かれる。市民がどんなに活躍しても、多くの人は「あれは**社が作った映画だ」と思ってしまう。毎回、実行委員のみなさんはそんな葛藤をしながら、仕事の合間に、或は仕事の時間を削り支援集めをする。そんなお一人に以前お話を聞いた。70代の男性だ。

「私たちの街は近県の人たちでも興味を持ってない。東京では誰も知らない街だ。子供らが大学に行って『出身地は?』と聞かれ答えても誰も知らない。仕事で大阪に行き『どちらから?』と言われて答えても、そこで会話が止まってしまう。観光客が来る以前に、街の名前さえ知らない人がほとんど。けど、有名な小説や映画の舞台になれば『あーあの小説の舞台の**ですね?あの映画のロケ地ですね?』と言ってもらえる。どんなきっかけでも街のことを伝えることが大事なんだ。

 映画作りの話を聞いたときは、いい話だ。応援しようと思い、実行委員会の人を訪ねた。委員になり、寄付金集めをした。でも、友人に頼んで1万円の寄付もなかなかしてくれない。何度も友人宅に通った。『考えておく』といわれる。数日してまた訪ねる。2回、3回と訪ねる。何度も説明すると、必ず最後には寄付をくれた。金儲けのためではなく、街のため、子供たちのための映画作り。必ず分かってもらえる。1度、頼んでダメだったからと諦めてはいけない。

映画撮影というと大喜びで参加する人もいる。が、多くは市が主催のイベントのような気持ちでやってくる。寄付はしない。けど、市民の寄付がないと撮影はできないということを説明すると「それは協力しないと!」と寄付をくれた。多くの市民は映画作りとは何か? 市民が行動することがどういうことなのか?が分からないだけ。ずっと何かしてもらうだけの生活をして来たのでピンと来ないんだ。あきらめず声をかけることが大事だよ」

そんな話をしてくれた。映画が完成し、地元で完成披露試写会が行なわれたとき。その男性が満面の笑顔で迎えてくれた。

「最初は寄付を渋った友人からもーあのとき協力してよかった。こんな素晴らしい映画になるとは思わなかった。ありがとうーと逆に礼をいわれましたよ。がんばってよかったです」

と言われた。地方映画作りは監督とスタッフ。俳優だけでは出来ない。地元の人たちの力なくしては完成できない。苦労と葛藤を続ける実行委員のみなさんの努力が、スタッフの心を打ち、低予算でも商業映画に負けない素晴らしい作品にする。そんな彼ら彼女らの努力。今回も痛感している。必ず素晴らしい映画を作ります。





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