「明日にかける橋」撮影準備ーいよいよ戦闘態勢になって来た! [6月ー2017]
夏の撮影を控えてスタッフもほぼ決まり、それぞれとの打ち合わせが始まった。ある日は撮影部、照明部と相談。例えばクライマックスの橋をどう撮影するか? カメラマンと相談して撮影方法を決める。それに従い照明部がどれだけライトが必要か?考える。が、巨大な橋を照らし出すには巨大なライトがいくつも必要になる。と、ライトを借りるのにかなりの費用が必要。照明部の人員もかなり必要。人件費も上がる。だが、予算は限られている。どうすればいいのか? その種のことを打ち合わせする。
同時にキャスティングもまだ続いている。電話1本では決まらない。ピザの注文ではないのだ。依頼をしてもなかなか返事をくれない事務所もある。断るのなら早く断ってくれた方が次の俳優に依頼できる。そう思いやっと連絡が取れたら「やる方向で考えています!」との返事。先方もいろいろあるようだ。ルーズで返事をしないのではなく、大きなイベントがありスタッフの手が回らないこと。事務所内で出演についてあれこれ議論されていたということもある。
見積りも作らねばならない。寄付で集る総額から「何にいくら使うか?」を計算する。通常、映画の製作費は3分の2は人件費。これが一番高くつく。だから、いかにスタッフを減らすか?ということが課題。通常は各パート4人+ドライバーだ。つまり5人。これを2人にすることで人件費を削減する。が、それはつまり2人で5人分働いてもらうということだ。よほどのことがないと、そこまでスタッフはやってくれない。
厳しい状況での映画作りだが、そこを地元が応援支援してくれる。宿舎に限りなく安く泊めてもらう。食事を作ってもらう。ボランティア・スタッフとして参加してもらう。車両を貸してもらう。そんなことでかなり製作費を削減。そんな地元の熱い応援に応えてスタッフはがんばる。こうして地元とスタッフが協力し合って撮影することで、限られた予算で、企業映画並みの作品ができる。集った額だけで作るとテレビの深夜ドラマのようなレベルしかできないが、通常なら1億2億かかるものがその何分の1かで出来る。
他にも美術部は多額の費用が必要。照明部もいろんな機材がほしい。撮影部だって移動車や多くのレンズがほしい。でも、そのリクエストの全てを聞くと費用が足りない。どこにいくら配分するか? また、スタッフを保険にいれねばならない。事故があるかもしれない。交通費もかかる。車で行くのか?ロケバスで行くのか?車両を借りるといくらか? キャストはやはり新幹線で呼ばねばならない。いろいろかかる。そしてスタッフ全員が一気に集まり打ち合わせする訳ではないので、僕があちこちに出向き、1人1人と打ち合わせする。
通常、見積りはプロデュサーの仕事だが、僕はプロデュサーも兼ねる。撮影現場ではさすがに無理なので、ラインプロデュサーがいてくれるが、予算削減に1番有効なのは僕が7人分働くこと。今週末は地元で市民俳優オーディションが2回。ついでにロケハンや宿舎探しもせねば。帰京したら、いよいよ、プロの俳優を集めてのオーディションをせねばならない。こうして撮影前にいつも倒れる寸前となるのだが、闘いは始まったばかりだ。
2017-06-14 11:00
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