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【キャスティングー利権に絡む怪しい輩も近づいて来る?】 [「明日」キャスティング]

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【キャスティングー利権に絡む怪しい輩も近づいて来る?】

「明日にかける橋」ーある役を決めるのに苦悩している。誰がいいのか? キャスティングにはいくつかの条件がある。①役に合うこと②知名度があること③演技力があること。ここまではどの監督でも考える。あ、ちなみに日本映画では監督がキャスティングをする。テレビはプロデュサーがすることが多い。だから、有名どころを並べる。その方が多くの人が見てくれて視聴率が上がるからだ。

プロデュサーはそちらに考えが行きがちだが、監督というのはやはり「役に合うか?」「その俳優が演じることで作品がどう良くなるか?」を考える。ときには、無名の俳優を主演にしようとして、プロデュサーに反対されたりもする。Pというのはやはり作品クオリティより興行成績を重視するから。知名度の高い人を求める。

日本映画では伝統的に監督がキャスティングする。が、最近の大作ー特にテレビ局主導のものはPがしがち。その影響か?あれこれ口を出すPが多くなった。知名度のことだけでなく、キャスティングには利権が発生するからだ。「利権???」と思うだろう。説明する。俳優事務所はこう考える。

「うちの新人に主役をやらせたい!」「主役でなくても役をもらうことで、撮影に参加できれば勉強になる」「低予算の映画でも数出ることで売れてる感が出せる」「うちの子を売り出してCMの仕事を取り、大儲けしたい!」

だから、Pに対して自社の俳優をキャスティングすれば便宜を計ることがある。「新人を何人か入れてほしい。そうすればうちの***(有名俳優)を別の作品のときにゲスト出演させてもいい」とか交換条件を出す。或はズバリ!「1人入れたら*万払う」ということもある。Pは損得を考えて提案を受け入れ、監督にこういう。

「期待している若手がいるんだ。映画にもプラスだからこの3人を入れないか!」

監督は考える。

「Pにはお世話になっている。今後も仕事をもらうだろう。だから、イメージは違うけど、その3人をキャスティングしておいた方がいいな....」

こうして今流行りの忖度が行われ、作品クオリティより別の思惑で俳優が決まる。

だが、僕は絶対にそれをしない。そもそも僕は頑固。融通が利かない。協調性もない。忖度できない。よく変人と言われる。言い出したら聞かない。そんな性格だから空気を読むとかしない。自分がいいと思う俳優しか受け入れない。と、どうなるのか? 当然、Pに嫌われる。その後は仕事をもらえなくなる。或は仕事がやりづらくなる。現場でPが嫌がらせ。僕は針むしろに座ることになった。

でも、そもそも、そんなPとは仕事をするべきではないのだ。クオリティの高い作品は絶対にできない。そういうことが昔は何度もあった。Pというのは「自分が言えば何でも通る」と思い込んでいる人が多い。

「この2人を御願いします!(とプロフィールを差し出す)」

そんな言い方をする奴もいた。が、僕はひねくれ者だ。

「御願いします!じゃないだろう?どうですか?イメージに合えば起用しませんか?だろ?何、丁寧な命令形使ってんだ!」

あとで調べると、Pとその2人の俳優の事務所は癒着していた。彼のプロデュース作品にはその事務所の俳優が毎回、数多く出演。そのときも「御願いします」と言えば監督は承知すると考えたのだろう。
監督業で一番大切なのは観客が喜ぶ作品を作ることだ。それをせずして、利権絡みの映画を作って何の意味がある?昔からそう思っているので、トラブルが常に起きた。そんな問題あるPや製作会社。金目当ての連中。製作費にたかろうとする人たち。映画を作るといろんな輩が近づいて来る。

その後は、その手の連中をブロック。笑顔で近づいて来る奴も徹底して疑い、本当に素敵な映画が作りたい!という仲間だけで、自分が作りたい映画が作れる体制を作り上げた。そしてキャスティングは全て僕が決める。アドバイスは受けるが最終決定は僕。こう言うPがいる。

「あいつダメだったなあ。もう少しできると思ったんだけどなあ〜」

だが、その俳優を選んだのはPなのである。責任は彼にあるのだ。だから、僕の映画でダメな俳優がいれば、それは僕の責任なのである。そして「映画の出来はキャスティングで70%が決まる」と言ったのは伊丹万作監督(伊丹十三監督のお父さん)。本当にその通り。10に演出より1のキャスティング。それで映画は決まる。

演技力があってもイメージの違う俳優では、どんなに演出しても作品クオリティを上げることはできない。演出は魔法ではないのだ。だからキャスティングは超大事なのだ。と書いていると長くなった。本当はキャスティングに大切なことを伝えたかったのだが、それは次回にする。

俳優選びは先の3つだけではない。①役に合うこと②知名度があること③演技力があること。それ以外のもっと重要なこと。次回書かせてもらう。




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